地蔵菩薩は、死後に六道から抜け出せずに苦しむ人々を救うほとけさまになります。
六道では、この世とあの世の境に立って衆生を救うといわれています。
冤罪を防いだり、賽の河原で子ども達を守ったりと、大忙しの地蔵菩薩さま。
「地獄」には、死者を裁く10人の王がいて、その中の閻魔王(閻魔大王)が多忙を極めるがあまり、死者の罪の重さへの審判を時に間違えてしまうことがある模様。
地獄を見回る地蔵菩薩さまが、生前の良き行いを閻魔王に訴え、地獄から”この世”に生き返らせてくれたという逸話が『今昔物語集』にあるそうです。
地蔵菩薩さまのお姿は、袈裟、頭は剃髪し、右手に錫杖、左手に願いを叶えるという如意宝珠を手にした姿で描いています。
◆「ほとけこけし」が生まれたきっかけ
「ほとけこけし」は、2023年12月に雑貨と喫茶ネイロ堂。(岡山市)にて開催されたイラストレーター・村上トモミさんの個展「大こけし喫茶 ~トモミこけし&作家こけしの世界 ~」(2023.12/8-25)に出展した際に制作したシリーズになります。
実は、2023年2月、ご本人から個展開催のお知らせと”こけし”をテーマにした作品の出展のお誘いのご連絡がありました。
当時、療養中での制作活動をされていたトモミさんからの直接のお願いに、「あんなにバリバリと制作活動をされていた方からのお願いに答えないわけがない、こけし作品は作ったことがないけれど作品作りはなんとかなるし、する!」と快諾した2月下旬。
その日から、脳内の片隅でどんなこけし作品を出展しようかずっと迷っておりました。
答えが出ないまま月日が経過した同年夏のある日、東京・静嘉堂文庫美術館/静嘉堂@丸の内で開催されていた展覧会「あの世の探検 地獄の十王勢ぞろい」(2023.8/11-9/24)を鑑賞した時のことでした。
第2章の最後のコーナーで展示されていた1冊の冊子が、私の心をとらえました。
それは、河鍋暁斎(かわなべ きょうさい)が描いたという「地獄極楽めぐり図」という厚さ5~6センチはあったでしょうか。
江戸時代、日本橋の小物問屋で商売をしていた勝田 五兵衛の娘・田鶴(たつ)が亡くなり、その追悼供養のために、父・五兵衛が絵師・河鍋暁斎に制作を依頼したという画帖になります。
田鶴という、わずか14歳で亡くなった娘のためにと、芸術家に仕事の依頼をし、依頼主の切実な想いをプロの技で見事なまでに作品の中に、ぎゅぎゅっと詰め込んだ、ほとけさまと一緒に冥界を旅する少女の姿が描かれている大変素晴らしい作品でした。
画帖の中での田鶴ちゃんは、阿弥陀如来さま、聖観音菩薩さま、勢至観音菩薩らに導かれ、冥界の各所を巡って、極楽往生するまでの様子が描かれています。
全三十五面、プラス見返り図など含めると、四十図からなるとてつもなく巨大な内容の画帖になります。
そこには、ご先祖さまと再会したり、地獄を遠巻きに見物したり、田鶴ちゃんが大好きだった歌舞伎役者・五代目市村竹之丞の舞台を、阿弥陀さん達と一緒に鑑賞したりしているのです。
さらには、閻魔大王らと宴会を大いに楽しんでいる様子があったりと、暁斎が描き切った冥界は、画壇に縛られず、のびのびと自由に、基礎バッチリ!かつ”自由さ”も加わり、明治の文明開花が大いに反映された見事なまでの一冊となっているのです。
ああ、なんて素晴らしい画帖なんだ!!
と、何度も脳内再生をしながら家路についたその数日後、十数年来のアーティスト仲間の訃報が届きました。
イラストレーター・村上トモミさんの訃報でした。
約半年もの間、どんな作品を制作するかずっと悩んでたこけし作品。
河鍋暁斎「地獄極楽めぐり図」を鑑賞したことがきっかけで、暁斎が描いたような田鶴ちゃんのように、トモミさんも”あの世”でのびのびと自由に過ごしてくれていたらいいな、阿弥陀さんやお地蔵さん、閻魔さまらに見守られながら過ごしているのかな…と、そんな気持ちを込めて、本体、箱ともに、ひとつづつ制作したこけしになります。
どうぞ、ご覧ください。
素材:
本体:石粉粘土
箱:紙
サイズ:
本体:W 約 20~23 × H 約75 × D 約20~23(mm)
箱:W 約 98 × H 約 23~25 × D 約33 (mm)
その他
ひとつひとつ手作業で作成しておりますので個体差がございます。ご了承ください。
ご注文いただいてからの制作になります。
お渡しまでに5日営業日(土・日祝日は除く)いただきます。
地蔵菩薩は、死後に六道から抜け出せずに苦しむ人々を救うほとけさまになります。
六道では、この世とあの世の境に立って衆生を救うといわれています。
冤罪を防いだり、賽の河原で子ども達を守ったりと、大忙しの地蔵菩薩さま。
「地獄」には、死者を裁く10人の王がいて、その中の閻魔王(閻魔大王)が多忙を極めるがあまり、死者の罪の重さへの審判を時に間違えてしまうことがある模様。
地獄を見回る地蔵菩薩さまが、生前の良き行いを閻魔王に訴え、地獄から”この世”に生き返らせてくれたという逸話が『今昔物語集』にあるそうです。
地蔵菩薩さまのお姿は、袈裟、頭は剃髪し、右手に錫杖、左手に願いを叶えるという如意宝珠を手にした姿で描いています。
◆「ほとけこけし」が生まれたきっかけ
「ほとけこけし」は、2023年12月に雑貨と喫茶ネイロ堂。(岡山市)にて開催されたイラストレーター・村上トモミさんの個展「大こけし喫茶 ~トモミこけし&作家こけしの世界 ~」(2023.12/8-25)に出展した際に制作したシリーズになります。
実は、2023年2月、ご本人から個展開催のお知らせと”こけし”をテーマにした作品の出展のお誘いのご連絡がありました。
当時、療養中での制作活動をされていたトモミさんからの直接のお願いに、「あんなにバリバリと制作活動をされていた方からのお願いに答えないわけがない、こけし作品は作ったことがないけれど作品作りはなんとかなるし、する!」と快諾した2月下旬。
その日から、脳内の片隅でどんなこけし作品を出展しようかずっと迷っておりました。
答えが出ないまま月日が経過した同年夏のある日、東京・静嘉堂文庫美術館/静嘉堂@丸の内で開催されていた展覧会「あの世の探検 地獄の十王勢ぞろい」(2023.8/11-9/24)を鑑賞した時のことでした。
第2章の最後のコーナーで展示されていた1冊の冊子が、私の心をとらえました。
それは、河鍋暁斎(かわなべ きょうさい)が描いたという「地獄極楽めぐり図」という厚さ5~6センチはあったでしょうか。
江戸時代、日本橋の小物問屋で商売をしていた勝田 五兵衛の娘・田鶴(たつ)が亡くなり、その追悼供養のために、父・五兵衛が絵師・河鍋暁斎に制作を依頼したという画帖になります。
田鶴という、わずか14歳で亡くなった娘のためにと、芸術家に仕事の依頼をし、依頼主の切実な想いをプロの技で見事なまでに作品の中に、ぎゅぎゅっと詰め込んだ、ほとけさまと一緒に冥界を旅する少女の姿が描かれている大変素晴らしい作品でした。
画帖の中での田鶴ちゃんは、阿弥陀如来さま、聖観音菩薩さま、勢至観音菩薩らに導かれ、冥界の各所を巡って、極楽往生するまでの様子が描かれています。
全三十五面、プラス見返り図など含めると、四十図からなるとてつもなく巨大な内容の画帖になります。
そこには、ご先祖さまと再会したり、地獄を遠巻きに見物したり、田鶴ちゃんが大好きだった歌舞伎役者・五代目市村竹之丞の舞台を、阿弥陀さん達と一緒に鑑賞したりしているのです。
さらには、閻魔大王らと宴会を大いに楽しんでいる様子があったりと、暁斎が描き切った冥界は、画壇に縛られず、のびのびと自由に、基礎バッチリ!かつ”自由さ”も加わり、明治の文明開花が大いに反映された見事なまでの一冊となっているのです。
ああ、なんて素晴らしい画帖なんだ!!
と、何度も脳内再生をしながら家路についたその数日後、十数年来のアーティスト仲間の訃報が届きました。
イラストレーター・村上トモミさんの訃報でした。
約半年もの間、どんな作品を制作するかずっと悩んでたこけし作品。
河鍋暁斎「地獄極楽めぐり図」を鑑賞したことがきっかけで、暁斎が描いたような田鶴ちゃんのように、トモミさんも”あの世”でのびのびと自由に過ごしてくれていたらいいな、阿弥陀さんやお地蔵さん、閻魔さまらに見守られながら過ごしているのかな…と、そんな気持ちを込めて、本体、箱ともに、ひとつづつ制作したこけしになります。
どうぞ、ご覧ください。
素材:
本体:石粉粘土
箱:紙
サイズ:
本体:W 約 20~23 × H 約75 × D 約20~23(mm)
箱:W 約 98 × H 約 23~25 × D 約33 (mm)
その他
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